大学院を目指すあなたへ:
未来のモノづくりを変える、新しい「方法論」を自らの手で創り出す

有機合成化学は、頭の中にしかない未知の分子を現実世界に生み出すことができる、究極のモノづくり科学です。しかし、当研究室が真に目指しているのは、単に個別の分子を合成することではありません。私たちが挑んでいるのは、分子を自在に創り出すための「全く新しい方法論(合成手法)」そのものを生み出すことです。

当研究室では、「グリーン物質変換」をキーワードに、最先端の有機合成化学研究を展開しています。特に、環境負荷の大きい有機溶媒を排除した「水中での有機合成化学」や、次世代の持続可能なモノづくりを可能にする「フロー精密有機合成」は、当研究室が世界をリードする独自の研究分野です。私たちが開発する革新的な合成手法は、現代社会が直面する課題を解決し、「人間にとって有用でありながら、環境にも極めて優しい(グリーンな)」持続可能なモノづくりを根底から支えるプラットフォームとなります。

30年後、50年後も社会の基盤であり続ける学問

医薬品、最先端の機能性材料、農薬など、私たちの生活を豊かにするあらゆる物質の根幹には有機合成化学があります。時代がどれほど移り変わろうとも、「新しい物質を自在に創り出すための強固な方法論」が人類にとって不可欠であるという事実は、30年後、50年後も決して変わることはありません。私たちは、未来の社会基盤そのものを創り出す研究を行っています。

AI時代における「人間の手」の価値

近年、AI技術が急速に発展し、化学の分野でも化合物の設計や反応の予測への活用が進んでいます。当研究室でも、この強力なツールであるAIを積極的に活用し、研究を大きく加速させています。

しかし、頭やコンピューターの中でどれほど素晴らしい反応を思い描いても、それだけでは世界は変わりません。最終的に「フラスコの中で実際に新しい反応を見出し、モノを創り出す」ことができるのは、人間の手と情熱だけです。AIには決してできない「予測を超える反応(セレンディピティ)の発見」や「試行錯誤から生まれるひらめき」こそが、真のイノベーションの源泉であり、人間にしか成し得ない領域なのです。もちろん、誰もが最初は手探りです。当研究室では、失敗を恐れずに何度でも挑戦できるよう、教員や先輩との密なディスカッションを通じて、皆さんの「試行錯誤」を全力でバックアップする体制が整っています。

日本にいながら世界と繋がる。日常に溢れる「国際性」

当研究室は、常に世界と競争し、グローバルな視点で研究を展開しています。研究室メンバーの約2割は外国人のポスドクや留学生であり、日々のディスカッションやコミュニケーションを通じて、日本にいながら自然と実践的な英語力が身につく環境です。また、海外との共同研究も盛んであり、世界トップレベルの海外研究者が頻繁に出入りしています。こうした多様性に富んだ国際色豊かな環境は、皆さんが将来、世界を舞台に活躍するグローバルリーダーへと成長するための大きな糧となるはずです。

基礎研究から社会実装(実用化)へダイレクトに繋がる環境

当研究室のもう一つの大きな特長は、真理を探究する「基礎研究」を最重要視しながらも、常に「実用化」を視野に入れている点です。総括寄付講座という枠組みを最大限に活かし、企業との強固な共同研究や社会連携を推進しています。ラボでの基礎的な発見が、社会実装へとダイレクトに繋がっていくダイナミズムを、学生のうちから肌で感じることができるエキサイティングな環境がここにあります。こうした産学連携の最前線での経験は、社会のリアルな課題を解決する実践的な視野を養い、将来皆さんがアカデミアや産業界を牽引するリーダーとして活躍するための、他にはない強力な武器となるでしょう。

まだ世界に存在しない新しい方法論を、自らの手で創り出し、社会に届ける。 当研究室では、革新的な研究成果を生み出すことと同じくらい、皆さん自身が一人の研究者として大きく成長していく過程を大切にしています。 私たちと一緒に、次世代の「グリーン物質変換」を切り拓き、有機合成化学の力で未来を変える挑戦を楽しみませんか?その挑戦の先には、きっと想像を超える成長を遂げた「新しいあなた自身」との出会いが待っているはずです。